【映画】四月の永い夢を観て
こんばんは。まさです。
先日、朝倉あきさんが主演を務める映画「四月の永い夢」を観てきました。
モスクワ国際映画祭にて、国際映画批評家連盟賞、ロシア映画批評家連盟特別表彰をダブル受賞する快挙を成し遂げた作品です。
(あらすじ)
朝倉あき演じる主人公、初海は、3年前に亡くした恋人を忘れられず、ずっと時が止まったまま。当時勤めていた教員の仕事も辞め、そば屋でアルバイトをする毎日。
そんな折、元恋人の母から、恋人が残した最後の手紙についての知らせが届く。
同時に、そば屋の店主がお店をたたむことになり、初海にとって”居心地の良い”空間がなくなってしまうことになる。
”居心地の良い空間”から追い出されてしまったことで、これまでとは違う日常を生きなければならなくなった初海。
だけどそれは、立ち止まっていた”永い時間”を取り戻すためのきっかけになる。
彼からの最後の手紙を読み、ずっと抱えていた心の秘密を解き放っていく、静かなストーリー。
(感想)
落ち着いた映画でした。
静かに、主人公が感じている痛みや苦しみ、葛藤、悩みを丁寧に表現されていると思いました。
恋人を失ったという絶望感は、僕は体験したことがないのでわかりません。
失恋の経験ならあります。
失恋したときでさえ、大きな喪失感を感じ、孤独感を感じてしまうのに、
自分にとって大切な恋人が遠くへ旅立ってしまったら、と想像すると、どんなにやりきれないのだろうと思いました。
監督はこのようなコメントを述べています。
「今の日本は表では平和に見えるが、同時に生きている実感を持ちづらい社会。そんな中で、悲しみややりきれなさを抱えながらも、どのように次のステージへ向かっていけるのかということを静かなトーンで描きたかった」。
表では皆楽しそうにふるまっていても、心の中では人に言えない秘密を、多くの人がもっているのでしょうね。僕もそうかもしれません。
また劇中にでてくるセリフで印象的だったのは、
そば屋を閉店するというくだりで、初海が
「ここ(そば屋)、居心地良かったんだけどなあ」
と話した後に
「そういうとこだよ」
と言う、そば屋店主の娘の忍(高橋由美子)とのやりとり。
居心地の良い環境にいるから、ずっと変われないままいるんじゃないのかってことですよね。居心地の良い環境にいても成長できませんもんね。
自ら居心地の悪い環境を選んで進んでいかないと成長はできないですからね。
もう一つは、元恋人の母親(高橋恵子)のセリフ。
「若い頃は人生は何かを得ていくものだと思っていたけど、歳を重ねてからは人生は失っていくものだって分かったの」
このセリフもぐっときました。
ぼくはまだ20代の若者で、何かを得たい、経験したいという気持ちが強いです。
それはまだ失ってきたものが少ないから、そのように考えてしまうのかもしれませんね。
これからの人生の中で、自分の大切な家族や友人を亡くした時に、失っていくことが人生だと思うようになるのかもしれませんね。
@まさ